利益がでれば社員へ還元しろ!これが父の考えです。一方、利益は内部留保し、将来へ備えたい!
これが私の考えでした。確かにあの当時、今思えばバブルの終わりかけでしたが、当時は誰も終わりが
来るなんて考えてもいません。当然二人はぶつかり合います。「職人があっての会社だ!
税金払うぐらいなら、全部ボーナスでだしてやれ!」「この先どうなるかわからないんだから、
半分税金で持っていかれても、貯めておいたほうがいい!」何を言ってもらちがあきません。
そのとき父が出した結論は、「じゃあ、俺が個人的にボーナス出してやるからいい!」でした。
当然「ふざけるな!俺の立場はどうなる!」と大喧嘩。結局この騒動は、親戚中を巻き込んで、
大家族会議に発展し、協議の結果、父が引退し私が社長になることに決まりました。
しかし私の心は晴れませんでした。なんか無理矢理父から会社を奪うようで、釈然としないというか、
本当の意味で、認められて交代するしたかったという思いからか、もやもやとした気持ちが心の中に
広がって行き、結局父に頭を下げて、社長交代は取りやめとなりました。もちろん親戚中には、
何のために集まったんだと怒られましたが、私の心は晴れ晴れとしていました。しかしその後、
社長交代までの時間は、そう遠くはありませんでした。そう、半年もしない間に、ある日突然、
父は「社長を交代する。あとはお前がやれ!」と言って引退を決意したのです。 続く








